加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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M&A(買い手側)の基礎知識⑥-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅳ

第2 秘密保持契約(NDA)

 M&Aでは、当事者間において、契約交渉の過程で機密性の高い資料・情報を相互に開示することが予定されています。そこで、開示された資料・情報が第三者に開示・漏洩されることや、目的外利用されることを防ぐために、秘密保持契約が締結されます。

 秘密保持契約は、本格的な情報開示が予定されているデューデリジェンスが開始するよりも前に締結することが一般的です。また、M&Aに関する交渉が行われている事実自体も秘密にしておきたい場合には、協議開始の時点で秘密保持契約を締結する必要があります。

第3 基本合意書(LOI)

 基本合意書とは、LOI(Letter of Intent)とも呼ばれ、M&Aの交渉を進めていく過程で、想定される買収価格や条件、スキームやスケジュール等の基本的な内容について、買い手と売り手の双方が一定の合意に達した段階で締結する合意書をいいます。

 基本合意書は、契約当事者双方に最終契約締結に向けた真摯かつ誠実な協議を促し、また最終契約書に盛り込むことが想定される条項を挿入することによって、最終契約書作成までの時間の短縮が期待できる点に意義があります。

 基本合意書は、一般的にデューデリジェンス未実施の段階において、当事者間で暫定的に合意に至った内容を書面化するもので、デューデリジェンスの結果等を踏まえてその内容が将来変動する可能性があることを前提として作成されるものです。

 このような基本合意書の性質上、基本合意書に定められた各種条項には、一部の条項を除き法的拘束力をもたせないのが一般的です。

 基本合意書に一般的に挿入することの多い条項は、M&A取引の内容(スキームの種類、価格、基準日等)、有効期間、独占交渉権、表明保証条項や、デューデリジェンスの協力義務などが挙げられます。

<続く>

M&A(買い手側)の基礎知識①-M&Aと弁護士の役割

M&A(買い手側)の基礎知識②-弁護士の必要性・有用性

M&A(買い手側)の基礎知識③-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅰ

M&A(買い手側)の基礎知識④-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅱ

M&A(買い手側)の基礎知識⑤-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅲ

M&A(買い手側)の基礎知識⑦-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅴ

M&A(買い手側)の基礎知識⑧-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅵ

M&A(買い手側)の基礎知識⑨-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅶ

M&A(買い手側)の基礎知識⑩-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅷ

M&A(買い手側)の基礎知識⑪-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅸ

M&A(買い手側)の基礎知識⑫-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅹ

M&A(買い手側)の基礎知識⑬-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅺ

M&A(売り手側)の基礎知識①-M&Aとは

M&A(売り手側)の基礎知識②-弁護士の必要性

M&A(売り手側)の基礎知識③-弁護士が関わる手続Ⅰ

M&A(売り手側)の基礎知識④-弁護士が関わる手続Ⅱ

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