4 従業員持株会設立手続
従業員持株会を設立させるにあたって、まずは民法上の組合を組成するために発起人を選定するとともに、従業員持株会のルールを定める規約案を策定する必要があります。
続けて、発起人間で「従業員持株会設立契約(組合契約)」を締結した上で、設立総会を開催し、発起人の中から代表理事や監事等の役職者を選任します。
その後、代表者印、持株会ゴム印等の作成、従業員持株会代表理事名義口座の開設を行うとともに、会社・従業員持株会で譲渡制限ルールや守秘義務などを定めた「合意書・覚書」を作成します。
最後に、規約で定められた会員資格を有する者を対象として従業員持株会の制度について説明会を実施した上で、入会手続、出資金拠出、株式取得という一連の流れにより、発足手続が一通り終了します。
なお、先に述べたように譲渡制限ルールの有効性の重要な判断要素として、従業員の譲渡制限ルールについての認識があげられていますので、従業員持株会の制度説明会においては、特に株式譲渡ルールについて十分な説明を行うことが重要であり、弁護士の関与の下、各従業員に対する説明会を実施し、従業員が説明会の内容を十分に理解したことを示す確認書・念書等も作成しておくのが好ましいといえます。
非上場会社における従業員持株会(民法上の組合方式・全員参加方式・一時拠出方式)設立の手続の概要は下記図記載のとおりです。
<続く>