加藤&パートナーズ法律事務所

加藤&パートナーズ法律事務所

法律情報・コラム

法律情報・コラム

事業承継・少数株主対策-株式の集約③

スクイーズ・アウトⅠ

1 スクイーズ・アウトの3つの手法

 「スクイーズ・アウト」とは、対象会社やその支配株主が、対象会社の少数株主の保有する株式の全部をその承諾を得ることなく、金銭その他の財産を対価として取得し、株式会社から少数株主を強制的に閉め出すことをいいます。スクイーズ・アウトの内、少数株主に交付される対価が金銭である場合を、特に「キャッシュ・アウト」と呼びます。

 スクイーズ・アウトは、その性質上、少数株主との紛争の端緒となることが多く、株式価額につき折り合いがつかない場合には、当該価額は、最終的に裁判所が決定することとなります。

 そして、裁判所の決定する株式価額は、税務上の株式の評価額とは異なり、特段の事情がない限り、対象会社の将来のフリーキャッシュフローの割引現在価値の合計により企業価値評価を行う手法である「DCF法」を用いて算出されるのが主流となっています。優良企業であればあるほど、税務上の株式評価額との開きが大きくなり、想定した以上に高額化する傾向にあります。

 そのため、スクイーズ・アウトの各手法による株式集約化は、先に任意の買取り交渉を試みて、これが不可能ないし著しく困難な場合に検討すべき最終手段といえます。

 スクイーズ・アウトの実施には、高度かつ専門的な法的知識が要求され、法定手続も多く、手続に瑕疵があればスクイーズ・アウトの効力が無効となってしまうリスクもありますので、可及的に紛争の発生を予防し、また仮に紛争化した場合でも最善の対処が可能なようにするために、会社法に明るい弁護士の助言・関与が必要不可欠な手続といえます。

 以下、スクイーズ・アウトの代表的な手法を3つ紹介します。

<続く>

事業承継・少数株主対策-株式の集約①

事業承継・少数株主対策-株式の集約②

事業承継・少数株主対策-株式の集約④

事業承継・少数株主対策-株式の集約⑤

事業承継・少数株主対策-株式の集約⑥

事業承継・少数株主対策-株式の集約⑦

事業承継・少数株主対策-株式の集約⑧

事業承継・少数株主対策-募集株式の発行等①

事業承継・少数株主対策-募集株式の発行等②

事業承継・少数株主対策-募集株式の発行等③

事業承継・少数株主対策-種類株式①

事業承継・少数株主対策-種類株式②

事業承継・少数株主対策-種類株式③

事業承継・少数株主対策-種類株式④

事業承継・少数株主対策-種類株式⑤

事業承継・少数株主対策-属人的定めの活用

事業承継・少数株主対策-持株会①

事業承継・少数株主対策-持株会②

事業承継・少数株主対策-持株会③

事業承継・少数株主対策-持株会④

事業承継・少数株主対策-持株会⑤

事業承継・少数株主対策-持株会⑥

トップへ戻る