加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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事業承継・少数株主対策-株式の集約①

事業承継における株式の集約の重要性

 事業承継を成功させる重要な要素の一つとして、『資産の承継』が挙げられますが、株式会社においては、特に『株式の承継』が重要です。そして、株式の承継にあたっては、後継者に株式を集約させることが最重要課題となります。

 1株でも保有する後継者以外の株主が存在する場合には、当該株主から各種株主権を行使されるリスクがあり、これに対応するために非建設的な各種コストを要し、会社の円滑な経営が阻害されることになりかねません。

 そのため、円滑な事業承継を図るには、通常は、後継者に全ての株式を集約させることが最も好ましいといえます。

 また、仮に全ての株式を後継者に取得させることが困難であったとしても、安定した経営権を確保するためには、少なくとも定款変更や組織再編といった重要事項において要求される株主総会特別決議の成立に必要な議決権数、すなわち総議決権の3分の2以上の株式を後継者に承継させることが望まれます。

 後継者のみでは総議決権の3分の2以上を保有することが困難な場合には、後継者に協力してくれる安定株主に株式を保有させることを検討する必要があります。

 株式の集約に失敗した場合には、本来は親族間の対立に過ぎなかったものが、株主総会にも争いが持ち込まれることとなり、場合によっては株主総会における意思決定が不可能なデッドロックの状態(対立する株主グループ間の各議決権数が同数の状態)に陥ってしまうこともあります。

 ひとたびこのような事態が生じれば、解決までの間、経営の安定・迅速性が損なわれ、解決のために多くの時間・費用・労力等の各種コストを要することになり、最悪の場合には対立株主による解散請求によって会社自体が消滅してしまうことさえあり得ます。

 このような事態の発生を回避し、会社を永続的に、かつ健全に存続させていくために、事業承継を計画するにあたっては、後継者あるいは安定株主への株式の集約を如何に実現するかという観点が非常に重要となるのです。

 経営承継円滑化法の施行により、株式の承継にあたっての税制支援や遺留分に関する民法の特例が定められるなど、株式の集約化のために必要なサポート体制も整えられてきており、株式は分散から集約の時代へと完全に変化しています。

 当事務所においても、多くの経営者様からご相談を頂き、事業承継にあたっての株式の集約化のサポートに尽力しております。

 以下では、株式集約化の手法を簡単にご説明します。

<続く>

事業承継・少数株主対策-株式の集約②

事業承継・少数株主対策-株式の集約③

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