3 株主対取締役(類型Ⅲ)
株主対取締役の紛争類型では、取締役解任の訴えと株主代表訴訟があります。
(1)取締役解任の訴え
取締役は、原則として株主総会普通決議によっていつでも解任することができます。
そして、50%を超える議決権を保有していない株主であったとしても、解任の訴えによって、取締役の解任が争われることがあります。
「解任の訴え」は、取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該取締役を解任する旨の議案が株主総会において否決された(種類株主の拒否権により決議が効力を生じない場合を含む。)とき、総株主の100分の3(これを下回る割合を定款で定めることもできます。)又は発行済株式の100分の3(これを下回る割合を定款で定めることもできます。)以上の株式を有する株主が、当該株主総会の日から30日以内に、訴えをもってその取締役の解任を請求することができます。
また、取締役の解任の訴えに先立って又はこれと共に、解任対象の取締役について職務執行を停止させる手続である「職務執行停止の仮処分」を申し立てることができ、併せて当該取締役に代わって取締役の職務を行う者を選任する「職務代行者選任の仮処分」を申し立てることもできます。
<続く>
会社内部紛争③-取締役対会社・取締役の地位、解任を巡る紛争-