会社を経営していると、トラブルに巻き込まれることがあります。一切トラブルに巻き込まれない会社の方が珍しいかもしれません。
トラブルには色々な種類があります。取引先とのトラブル、顧客とのトラブル、従業員とのトラブルなどがあります。本稿で取り上げるトラブルは、会社内部紛争と呼ばれる、主に会社法が関わるトラブル類型です。
会社内部紛争には、役員報酬等を巡る紛争、取締役の地位・解任を巡る紛争、役員の責任を巡る紛争、経営権獲得を巡る紛争、株主権の帰属を巡る紛争など様々なものがあります。対立する当事者によって整理すると、取締役(元取締役)と会社との間の紛争(類型Ⅰ)、株主と会社(現経営陣)との間の紛争(類型Ⅱ)、株主と取締役との間の紛争(類型Ⅲ)、株主と株主との間の紛争(類型Ⅳ)の4類型に分けることができます。
もちろん、上記4類型により厳密に分類することが困難な複数の当事者が関係する類型の紛争もあります。また、所有と経営が一致しているいわゆる同族会社においては、株主が取締役を兼ねている場合も多く、あらゆる内部紛争の実態は、株主間の対立(類型Ⅳ)の様相を呈しているともいえます。しかし、便宜上、各紛争において特に利害関係の強い者同士を取り上げ、上記4類型に分類して会社内部紛争について説明します。
<続く>
会社内部紛争③-取締役対会社・取締役の地位、解任を巡る紛争-