ベストセラーの新書「日本会議の研究」によって名誉を傷つけられたとして,同書籍内に登場する千葉県の七十代男性が,出版元の扶桑社に出版差し止めを求めた仮処分申立事件で,東京地裁(関述之裁判長)は1月6日,「真実でない部分があり損害も著しい」と判断し,差し止めを命じる決定を出しました。
この仮処分決定に対し,日本書籍出版協会と日本雑誌協会は,1月27日,過去の最高裁判決(北方ジャーナル事件)が、「公共的事項に関する表現の自由は,特に重要な憲法上の権利として尊重されなければならない」と判示していることを指摘したうえで,連名の抗議声明を出しました。
また,仮処分決定に対し,出版元の扶桑社は,1月18日,保全異議の申立てを行い,これに伴い仮処分の執行停止も申し立てましたが,執行停止の申立てについては1月24日に却下されました。今後,本件は,保全異議にかかる異議審で争われていくこととなります。