かつらメーカー大手のアデランスは,10月14日,MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表しました。投資会社のインテグラルが,子会社を通じてアデランス株式にTOB(株式公開買い付け)を実施し,株式を取得する予定です。
10月21日の日本経済新聞朝刊では,アデランス副社長とインテグラル代表のコメントが掲載されていました。アデランス副社長は,現在の業績低迷の要因はスティールパートナーズ主導の経営での数々の誤りであったとし,今後,株価に左右されずに経営基盤を再構築する環境を手に入れるには株式の非公開化が不可欠であると述べています。一方,インテグラル代表は,3年で100億円の設備投資をする予定で,業界事情に詳しい現経営陣が主導し,我々が側面支援するのが企業価値向上の近道であるとしています。投資資金の回収方法については,他のファンドに転売することは絶対にないとし,再上場してもらうか,経営陣や会社に株式を買い戻してもらうことを考えていると述べています。