国内・海外企業の信用調査を行っている株式会社東京商工リサーチは、10日、 上場企業で2015年度に「不適切な会計・経理」を開示した企業に関する調査結果を公表しました。
同社によると、不適切会計等を開示した上場企業は、2月9日までに43件に達し、2007年4月の調査開始以来、年度ベース(4月-3月)での最多記録を更新しました。また、開示企業は新興市場が減少した半面、東証1部、2部上場企業が28件(構成比65.1%)に増え、「不適切な会計・経理」の内容は「経理処理の間違い」など単純なミス以外に、「着服横領」、「業績や営業ノルマ達成を動機とする架空売上」、「循環取引」など、コンプライアンス意識の欠落や業績低迷を糊塗した要因も多く、産業別では、前年度に続き製造業の増加が顕著で、国外に製造拠点や営業拠点を多く展開するメーカーを中心に不適切会計が多く見られました。
このような調査結果から、国外に拠点を展開している上場企業においても、これまで、意図的な不正が行われているにもかかわらず、チェック体制が十分に機能していなかった企業が少なからず存在していたと言えます。