2 招集手続の省略・短縮
株主総会は開催する場合でも、招集手続のみ省略することも可能です。
株主総会の招集手続は、全株譲渡制限会社の取締役会設置会社の場合は、原則として書面で株主総会の7日前までに招集通知を株主に送付するとともに(会社法299条)、計算書類・事業報告・監査報告を株主に提供する必要があります(会社法437条)。
ただし、株主全員の同意がある場合は、上記招集手続を省略して株主総会を開催することが可能です(会社法300条)。なお、省略できるのは、招集通知の発送と計算書類等の提供のみですので、取締役会による決定等の手続を経ておく必要があることには変わりありません。
省略以外にも、短縮も可能と解されています。
株主の同意は黙示でも構いませんが、後日争いとならないため株主から同意書を取得すべきでしょう。
株主全員からの同意を取得する手間を考慮すると、招集手続の省略・短縮を利用すべきかは慎重に検討が必要です。
<続く>