加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」会社法を遵守した株主総会11-株主総会の運営に関する留意事項①-

1 株主総会の運営に不備がある場合のリスク

適法な招集手続がなされていても、株主総会の運営において違法があった場合には、決議方法の法令違反等として、決議が取り消されるおそれがあります(会社法831条1項1号)。

また、採決自体がなく、株主の賛否の態度も全く不明確であるなど、決議自体が存在しないといえるような場合では、決議不存在と評価されるリスクもあります(会社法830条)。

このようなリスクを避けるためには、事前に株主総会の進行表(シナリオ)を作成し、ベースとなる議長の議事内容や、想定問答を作成することが有用です。会社が出席株主の属性や関心事項を把握している場合には、それに応じた対応や回答を想定しておくことが重要です。さらに委任状提出株主の扱い、議決権の計算方法、株主から質問がなされた場合にどこまで回答する義務があるのか等、法的ルールを踏まえた準備も必要です。

また、当日の議事運営対応をスムーズに行うため、会社側の事務局として弁護士を同席させる例もあります。

その他、対立株主が出席する場合など、紛争が予測される場合には、録音・録画等の措置をとることも考えられます。特に重要性が高い局面では、後日の訴訟に備えるため、株主総会検査役(会社法306条)の選任を裁判所に申し立てることも考えられます。

<続く>

「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」会社法を遵守した株主総会12-株主総会の運営に関する留意事項②-

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