著者:伊勢田道仁(共著)、加藤真朗(共著)
編者:近藤光男
出版社:中央経済社
監視義務違反については、「経営判断原則」の適用もなく、取締役は責任追及のリスクにさらされることになる。判例の流れでみれば、かつては中小企業の事案が中心だったものが、近年では内部統制など社内システムの整備と関連した、大企業をめぐるものも目立っている。
社外取締役の普及で多くの方が監視義務を負うことになるなか、どのように職務を行えばよいのかの規範を、過去の判例から見いだせないかというのが本書の問題意識の一つである。
本書では、前著「判例法理・経営判断原則」と同様、「Ⅰ・総論」として議論の全体像を総括し、「Ⅱ・判例分析−整理とコメント」で185の判例を取り上げ、司法判断への分析を行っている。
目次
Ⅰ 取締役の監視義務・総論
1 序
2 監視義務の根拠と内容
3 監視義務と経営裁量
4 内部統制システム
5 監視の対象となる行為とそれに対する対応
6 因果関係・期待可能性・他者への信頼
7 名目的取締役・他の取締役へ業務を一任した取締役
8 親子会社・関連会社
9 取締役会と監視義務
Ⅱ 判例分析−整理とコメント