編者:近藤光男
出版社:中央経済社
株式会社等の経営機関の中核である株主総会。その決議が適法に行われていることは、あらゆる企業活動の前提となる。それが後から覆されることは、取引の安定性を阻害し、株主のみならず、債権者・取引先・顧客など、その企業に関係する者に幅広く影響を及ぼすこととなる。
本書は、研究者・弁護士が継続的に判例を検討する研究会の成果である。検討した判例は約350にのぼるが、その中から、171の判例を「招集手続」「決議方法」などの論点ごとに整理し分析する。
個別の判例分析では、まず事案の概要と判示により事案の紹介を行い、つぎに判決文中の該当部分を示した後に判決のポイントを指摘する。さらには、執筆者によるコメントで、判決への評価・実務との関連性が簡潔に示されている。
また、判例分析に先立ち、総論として法規制の変遷を概説し、判例の傾向・動向を論点ごとに俯瞰している。
さらに、判例数が多く複雑な「訴えの利益」「瑕疵連鎖」をめぐる判例については、第3章として特に章を設けて、判例法理の展開を概観する。
本書の構成
- 第1章 総論
- 第2章 判例分析
- 判例分析-議長
- 判例分析-招集手続
- 判例分析-説明義務
- 判例分析-代理人資格
- 判例分析-決議方法
- 判例分析-参考書類・計算書類
- 判例分析-特別利害関係株主
- 判例分析-株主提案権
- 判例分析-裁量棄却
- 判例分析-株主権を行使できる者
- 判例分析-その他の論点
- 第3章 訴えの利益・瑕疵連鎖